大場佳恵のブログ
会いに来てくれる
火曜日の夕方、彼は私に会いに来てくれる。
白い車で金石にあるみくら音楽工房へと来てくれる。
彼は歌の研究者のように思うことがある。
おでこ、つま先、スネ、頬骨、口輪筋など、歌う時にどの方向に意識づけするのかを毎週研究してくる。
その研究結果を私に教えてくれる。
私はその研究の結果、彼の歌と声がどのように変化したかを伝える。
そんなやり取りの中で、私が彼に教えてもらったことは数知れない。
教えるという行為は、相手から教わる行為でもある。
彼らしい言葉の選択で、私に一生懸命伝えようとしてくれる。
お互いのことを全て分かり合えるということはありえない。
わかったフリをすることで何となく、こういうことか?とコミュニケーションが取れ始める。
しかし、そのやり取りが長年にわたって繰り返されると、フトその瞬間が現れる。
わかった、と思える瞬間だ。
「分かり合えない」という事を前提に不完全な言葉と歌を使い、「分かり合いたい」と思うことがコミュニケーションということなのかもしれない。
去年彼は私に嬉しい言葉をかけてくれた。
『先生、ピアノ上手くなったぞー!』
けっして上手くない私のピアノをずっと彼はちゃんと聞いててくれたのだ。
また火曜日に会おう!

石川県金沢市にあるギターとドラムとボーカルの音楽教室
みくら音楽工房
ボーカル科講師
大場佳恵
少年から青年へ
厚着をしていた服を一枚一枚脱ぎ捨てるように、彼は自分をさらけ出すことを習得した。
少年の頃の記憶と感情を振り返り、一言一言確認するように歌う。
続けて、少年から少し時間が経過した頃を歌う。
強さを纏っていた。
彼は己と戦い、強くなっていた。
歌を通しての、その変貌ぶりに私も彼も二人で笑いながら真剣に驚いた。
彼と一緒に演奏をしたことは私にとって大きく意味のあることだった。
私は彼の声の波動に合わせて、ピアノの鍵盤をおさえる指の型を変えた。
彼の歌の力を借りて、私も強くなれた。
歌い終えて、彼は旅立つ。
遠く離れた場所で彼にしか体験できない青年期を過ごすだろう。

石川県金沢市にあるギターとドラムとボーカルの音楽教室
みくら音楽工房
ボーカル科講師
大場佳恵
共に泣ける人
私の夢の中に彼女は現れた。
夢の中で私は、地主会のプログラムの原稿を作成する際に彼女の歌う曲名の英語のスペルを間違えてしまった。
正しくはcry。
間違えて、Loveと記載してしまった。
夢の中で私は彼女に謝っている。
しかし、彼女は怒るどころか
ニコニコ笑いながら
『全然、大丈夫!』と言っている。
こんな夢を見た事を忘れていた。
その後、何日かの日常を過ごし、みくら旅に出かけた。
椿の花と葉っぱが鮮やかな坂道を下っていると、ふと先の夢を思い出した。
『あー!』
私の中で夢の世界と現実の世界が繋がった。
夢の意味がわかったのだ。
『泣く必要はない。愛でいいんだ』
彼女も一緒にみくら旅に来ていたので、呼び止めて説明した。
『あー!!』と言って
彼女も一緒に納得した。
レッスンで歌詞のイメージを共有し、特殊な磁場に立つと夢からのメッセージを受け取ることができる。
彼女が私の友人であることも関わっているが、共時性が働く条件の様なモノを体感した。
もう泣く必要はない。
なぜなら、彼女には愛が備わっているから。
隣に泣く人がいれば、彼女は寄り添い共に泣く事ができる人だ。
マイクを握っていない方の手から溢れ出るエネルギーと歌声は愛そのものであった。

石川県金沢市にあるギターとドラムとボーカルの音楽教室
みくら音楽工房
ボーカル科講師
大場佳恵
一緒に気球に乗ろう!
君はいつも歌っている最中に笑いだす。
あまりにも君が楽しそうなので私も笑いながら歌ってみた。
歌を習い始めた頃は、反時計周りにクルクルと回りながら歌っていたね。
少し大きくなった頃、君は体を左右に揺らしながら歌うようになった。
レッスン室の椅子にちょこんと座り『気球に乗ったら宇宙まで行けるの? 』と聞かれ、私は想像した。
君は青い気球、私は黄色の気球に乗って飛んでいる。
君が歌ってくれたら、気球に乗って宇宙まで行ける気がする。
君は自分がその時、その時に歌いたい曲をよく知っている。
大人が何と言おうとも、歌いたい歌を歌う。
だから君の歌には場を一変させる力がある。
本当に歌いたい歌を歌っているだろうか。

石川県金沢市にあるギターとドラムとボーカルの音楽教室
みくら音楽工房
ボーカル科講師
大場佳恵
夢の続きを見る
もう一度続きを見たい!と思い再び寝てみても見れなかった。という残念な経験をしている人は少なくないと思う。
場所や色、人物、数字、会話の内容が詳細であればあるほど現実の世界と夢の世界の境目がわかりにくく感じる。
夢分析をしていくと、夢の世界と現実の世界が繋がっていることに気がつく。
正夢なんか日常茶飯事。
夢の中で意識的に行動してみる。
すると、現実の世界が変容してくる。
逆も然り。
しかし、夢の続きについて歌い終えた彼女はきっと今夜、夢を見ているはずだ。

石川県金沢市にあるギターとドラムとボーカルの音楽教室
みくら音楽工房
ボーカル科講師
大場佳恵
蛍が光る宿
薄暗い7時半ごろの山の草むらには幻想的としか言いようがない光が点滅していた。
小学生の私は、蛍が私に何かを知らせるために光っているのだと思い込んでいた。
大人になって蛍が集まり光る宿に泊まっている自分をイメージしてみる。
ロウで染めた縞柄の着物を着て宿の縁側に立ってみる。
一緒に蛍の宿に来ている男性はどんな人だろうか。
きっと端正で知的な人だろう。
生き方と着る物が合致した時、それを着る者の歌は大きな力を発揮する。
彼女が歌う姿を見て時間の感覚がいつもと違うことに気がついた。

石川県金沢市にあるギターとドラムとボーカルの音楽教室
みくら音楽工房
ボーカル科講師
大場佳恵
アンビバレンスだ。
私の好きな言葉。
相反する二つの感情の狭間で
もがいたり、
苦しんだり、
悲しんだりする。
一体私はどっちにいるんだ?
居場所がわからなくなる。
そんな時は、
もがいたフリをしてみれば良い。
苦しんだフリをしてみれば良い。
悲しんだフリをしてみれば良い。
演じてみる。
そうすれば、なんだか可笑しくなってきたりする。
笑えば次が見えてくる。
どっちであっても良いのかもしれない。
混在している状態を歌に託せば良いのだと思う。
ちゃんと西田幾多郎さんを読んでみようと思った瞬間だった。

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大場佳恵
兆しを読み解く
兆しというものを見逃していないだろうか。
絶え間なく押し寄せる波のように次々と現れる日常の出来事にばかり気を取られ、大事な兆しを見逃してしまうと、無意識は気づいて欲しくて病気や災難、事故などで強くアピールしてくる。
心地の良いギターの音と春の柔らかな日差しに包まれて、彼女の横顔は日向ぼっこをする白い猫のように気持ち良さそうだった。
緩やかな螺旋階段を慎重に上がりながらここまで彼女は歩いてきた。
もう後に戻ることは無い。
これから彼女は夢からの兆しを読み解くことができる。

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みくら音楽工房
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大場佳恵
ファッションコーディネート講座ご案内
5月5日(日祝) ◉参加費
お1人様45分、5,000円税込み ◉場所
個人レッスン
14:00-17:00
1人45分
仮19:00-21:00
※グループレッスン参加費
お1人、2,000円税込
石川県金沢市にあるギターとドラムとボーカルの音楽教室
桜が散るころに
4月の初旬に父からもらった桜の短冊をみくら音楽工房の掛軸エリアにかけました。
生徒さんは
『あー、桜の掛軸に変わりましたねー!』と春を一緒に楽しんでいました。
先日の地主直之先生のギター伴奏だけで歌う会【第3回地主会】にご参加頂いたみなさま、お越しくださったみなさま、ありがとうございました。
今年は昨年よりもさらに、実りのある地主会となりました。
昨年の地主会でも歌いきったことで、その生徒さんにとっての通過儀礼となった方がたくさんいらっしゃいました。
そして今年は更に多くの生徒さんにとっての通過儀礼となりました。
人前で歌うという行為はどんなことを意味するのか。
表現するとはどういうことなのか。
コミュニケーションとは一体何を意味するのか。
多様性とは何か。
歌詞、言葉の持つ力とは。
あの場にいらしたみなさんがそれぞれに考えるきっかけになって頂ければ幸いです。
それにしても、ギター科の地主先生の伴奏はまたまたお見事でした。
生徒さん一人一人の音量、リズム、ダイナミクス、表現、ボーカルテクニックを考慮して全曲を演奏してくれました。
私はリハーサル日の段階でいちいち、落ち込んでいました。
『はぁー、またやわ。私のレッスンでのピアノ演奏で歌うより、地主先生のギター伴奏の方が断然生徒さんの歌が良くなっている、、、。』
リハーサルの休憩中にうなだれている私を見て、ラクジーは
言いました。
『そりゃー、あんたのピアノ伴奏と地主さんのギターじゃ質が違う、全てが違うわいね。地主さんのギター伴奏はなかなかの上質なモノだわ』
わかっちゃいるけど、、、。
ラクジーと地主先生が換気扇の下で吐いている煙草の煙だけがゆらゆらと私を慰めてくれています。
生徒さんにこの事を話すと、
『先生のピアノで歌っていても楽しいですよ!』
おほほー、励ましのお言葉ありがとう。
精進します。
急遽、私もピアノ伴奏で加わる曲がありました。
地主先生は私のピアノにも気を配ってギターを弾いてくれていました。
地主先生は優しい人なんだなぁーと今さらながら思いました。
その人柄がギターの音から湧き出ています。
歌も同じです。
歌い手の生き方が声となり立ち現れます。
それはもう、隠せません。
楽し過ぎる地主会でした。
また来年に向けて作戦を立て始めました。
考えているだけでもワクワクします。
遅めに咲く桜が散るころに地主会が終わり、秋のみくらライブの準備が始まります!!
みなさま、ありがとうございました!

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大場佳恵
