大場佳恵のブログ
貯金
と言って答える人は少ないと思います。
芥川賞作家の又吉さんが教育テレビでオイコノミアという番組をやっています。
だいぶ前の放送で、進行役の経済学の先生が又吉さんに
『又吉さんの貯金はお金だけではないのです』と言っていました。
『又吉さんは中学生からずっと本を読み続けています。それも貯金なんです』
と先生は続けて話しました。
私の貯金はずっと歌ってきたことです。
そしてずっと歌を人様に教えてきたことです。
そんなの仕事だから当たり前。
そんなの趣味でしょ。
と、とらえるか貯金ととらえるかでその人の人生は大きく変わってくるのではないでしょうか。
講師の仕事は自営業なのでとても不安定です。
私の周りでは今までに何人も辞めていきました。
ラクジー師匠はその度に
『彼らの音楽の才能はそこまでやったんや。あんたの才能はそこや。どんなことがあっても一貫して歌い続けてきたやろ』
続けることが才能と、よく言われますがそこに進化がなければ才能とは呼ばないと思います。
ラクジー師匠や端谷先生の力を借りて私は歌い続けてこれました。
お金で考えれば、私は一体銀行に何桁の数字が記載されていれば安心するのでしょう?
今に生きないで、遠い未来を悲観しお金で貯金をするのか。
たった今に生きて楽しく、時には辛いことがあっても自分らしいモノでの貯金をするのか。
お金の使い方で人が見えてくることってないですか?
困っている人がいたら、自分にできる範囲で助ける。そのことが回り回って自分に返ってくる。
私はこのことを自ら体験しました。
お金がない、お金がないと言っている人は本当にお金がないのでしょうか。
自分のためだけに使って人のためには使わない。
そのような人は回り回ってそのような生き方しかできなくなります。
それもまた私は見てきました。
しかし、本人は気付かないでいます。
同じような所でクルクルと回り続けます。
哲学者のニーチェは永劫回帰と言いました。
お金使いの荒い人のことをザルっていいますよね。
ラクジー師匠に
『あんたはザルですらない。ザルには目があるんや。あんたのザルには目がない。すぐ通過する。したがってあんたはザルですらないんやわ』
こんなザルですらない私が貯金の話をしてもねー。
お金をどのように使うかでその人の自我が見えてきます。
又吉さんの貯金は彼にとって大きな力となったことは間違いありません。
石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室
みくら音楽工房
ボーカル科講師・大場佳恵