大場佳恵のブログ
恋路海岸へ現地視察
歌の舞台となった場所へ現地視察に出かける、という行為はできそうでなかなかできない。
場所が外国などの遠い地であればなおさらだ。
ところが、彼が歌う曲の舞台になった場所は石川県だった。
たまたま、みくら旅で出かけることになっていた。
私は彼をみくら旅に誘った。
大場
『歌のために現地視察に行ける機会なんてなかなか無いし、面白そうなので一緒に行きましょう!』
彼
『まぁ、そうですねー』
みくら旅のガイドを務める
ラクジー師匠に話すと、
『そりぁ、あんた絶対来んなんわー!!!』
そんなこんなで、現地視察も兼ねて、みくら旅に出かけると、
実際の歌詞のイメージとはかけ離れてキレイな青空。
程よい潮風。
キラキラと静かに光る海。
・・・。ありゃ?!
なんか違うねー、と私と彼は笑いながら海を眺めた。
しかし、この現地視察はとても私にとっても有意義なものになった。
自分がイメージを作り上げたもので、いざ本番で歌おうとしても、ライブ当日の気温、天気、湿度、客層、自分の体調などで一気に崩れてしまうことはよくあることなのだ。
これらの要因をコントロールすることはボーカリストにとって、かなり難しい。
ライブで歌うという行為はまさに、一期一会である。
予定調和的に歌っても、全く面白くない。
むしろ、それは歌とは呼ばないと思う。
だからこそ、自分が作りあげたイメージを壊す、という意味でも、彼を現地視察にお連れして良かったと思った。
彼と海を眺めていると、
急にお腹が空いていたことを思い出した。
先に寄ったコンビニで納豆巻きを買ったので、ベンチに座り食べた。
急に潮風が強くなり、納豆の糸が顔にまとわりついた。
友達の京子ちゃんが通りかかった。
『佳恵ちゃん、納豆巻き食べてるんか?!』
と、爆笑しながら話しかけてきた。
キレイな海岸と納豆巻きという組み合わせは、京子ちゃんでなくても、奇妙に思うのだろう。
この奇妙さも歌にすれば、もっと歌うことが楽しくなるはずだ。
そして、地主会当日。
地主先生がギターでイントロを弾き始めて歌が始まり、しばらくすると、急に演奏を止めた。
ん?機材トラブルか?と心配したら・・・。
地主先生
『すごいごめん!キー間違えて弾いてたー!』
会場は、わぁー!と笑い声で溢れた。
おかげで彼は緊張しすぎることなく、見事に歌い上げた。
ライブだねー。
楽しいねー。
生きてるって面白いねー。
石川県金沢市にあるギターとドラムとボーカルの音楽教室
みくら音楽工房
ボーカル科講師
大場佳恵