大場佳恵のブログ, 講師ブログ
人間同士
また田中ミンさんのことを書いてみようと思います。
最近では田中さんが老賢者に見えてきました。
イメージの固定化というのは怖いなぁと思います。
例えば歌を教える立場の私が、ある生徒さんを見て
『ピッチ(音程)が悪いなぁ』と初期のレッスンで感じていたとします。
それからレッスンを進めるに従い段々とピッチは良くなっていきます。
しかし、良くなってきているにも関わらず新しい曲を歌った時にピッチがズレたたとします。
そこで私が
『以前からピッチが悪い人だしなぁ』
と思ったとします。
初期のレッスンで抱いたピッチが悪いというイメージが固定化されると、相対的には以前よりピッチは良くなっているのにも関わらず、そこだけ捉えて誤った判断をしてしまいます。
少しの変化や兆しを見逃さないようにすることが、レッスンをしていくうえで大切なことだと私は思います。
螺旋階段をイメージしてみてください。
真上から眺めるとクルクルと同じような所を回っているように見えますが、横から眺めると少しずつ上昇しています。
個人差はありますが、一気に上達することはまれです。
少しずつ少しずつなのです。
『人間同士は刻々と変わっています。』
と田中さんはおっしゃっていました。
本や、関わる人、映画、テレビ、
インターネット。
様々なものから影響を受けます。
人は刻々と変わっています。
それなのに、
『この人はこういう人だ』と決めつけることによってお互いのチャンスが奪われてしまいます。
ラクジー師匠が昔、私の夢分析で教えてくれた言葉があります。
『自分自身にかける呪文が一番強い』
私もラクジー師匠も、端谷先生もお互いに出会った頃とは全然違う人間になりました。
これを奇跡と呼ぶのかもしれません。
石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室
みくら音楽工房・ボーカル科講師
大場佳恵