大場佳恵のブログ
地主会への道【23】
私も彼女も『伝える』という仕事をしている。
言葉では全てが伝わらないということを前提として、それでも言葉を使って伝えようとする。
なぜなら私たちにはそれぞれに伝えたいことがあるからだ。
そこには『齟齬』がたくさん発生してしまう。
伝える側の感情や体調、使う単語の組み合わせと、受け取る側のそれらの条件により生まれる。
齟齬が発生した時に修正する作業はとても手間がかかる。
しかし、齟齬を放置したまま相手と時を過ごすと、とんでもない結果になってしまう。
時として、人を苦しめ、自らも苦しみ、
別れとなる。
どちらかが死に至っては齟齬を修正することができない。
だからこそ歌う者は言葉に対して注意深く観察し、吟味しなければいけない。
もし、一緒に演奏する者との間に齟齬が生じれば修正、訂正する努力をした方が良いだろう。
その作業を苦痛と感じる者は歌うことが難しいと思うのかもしれない。
みくらの講師たちはこの作業が楽しくて深夜まで台所で打ち合わせをする。
この10ヶ月間、彼女と私は共に走り続けた。
お互いの齟齬を修正しながら、どうしたら伝えることができるのか。
みくらの講師やスタッフたちの全面的バックアップを受けながら考え続けた。
その結果、一つの形となって表現することができた。
これを自己実現と呼ばずにはいられない。
心からの感謝と祝福を彼女に贈ろう。
この濃密な時間はまさに言葉にできない。
たがら今、彼女の歌で体感してもらいたい。

みくら音楽工房
代表 大場佳恵
2025-04-11 | Posted in 大場佳恵のブログ