大場佳恵のブログ
地主会への道【変容したドラム科】
今回の地主会本番は撮影をしてみることにした。
昨年三月までドラム科に長年在籍してくれていた彼に撮影の仕事を依頼した。
こんなに音楽が好きな人がいるのか、と彼に会う度に思う。
彼はみくらをとても愛してくれた。
私はその想いに答えたくて、何か彼とできないかと考えていた。
昨年末に急遽入った仕事に私のアシスタントとして来てもらった。
現場の音響さんはすぐに彼は音楽が大好きな人だということを察知して、色々と仕事を教えてくれた。
『あーいう若い子、見ると嬉しくなるわ』と言ってくれた。
通常、音響さんは自分の仕事を会ったばかりの若い人に任せたりはしない。
それだけ厳しい現場なのだ。
しかし、音響さん自身もギタリストとして、ステージに上がる時間があったため、彼にその時間、照明を任せてくれた。
私はその厚意に驚いたが、彼本人が一番驚いていた。
本番。
ギタリストがマイクを使った際に声が入らなかった。
私は『まずい!』と思い彼の方を見た。
彼はすかさず、逆側に配置していたもう一人の若い音響さんとアイコンタクトをしてすぐに対応した。
私→彼→もう一人の若い音響さん
三人の視線というラインで三角形が会場に描かれた。
私はシビれた。
仕事でシビれる瞬間は体感したものにしか理解してもらえない。
彼となら仕事が一緒にできると確信した瞬間であった。
本番後、三角形を描いた三人と厚い好意を持つ音響兼ギタリストの四人でアーモンドチョコを食べた。
不思議と甘いと感じなかった。

みくら音楽工房
代表 大場佳恵
2025-04-02 | Posted in 大場佳恵のブログ