2015-08

ピッチの正体

IMG_0706朝晩の気温から秋を感じます。

エアコンの温度設定も少しずつ変わってきました。

歌うと暑いので、レッスン室は相変わらずの温度設定です。

 

今日は「ピッチ」について書いてみようと思います。

最近のブログでも少し触れましたが、ピッチとは音程のことです。

ボーカル科の生徒さんがレッスンをはじめる時の希望は

「音程をきれいに合わせられるようになりたい」

「高音域を出せるようになりたい」

というこの2つが圧倒的に多いと思います。

 

当たりまえだと思われますが、この2つの呪縛に苦しんでいる方は

とても多いのです。

レッスンを進めていくうちに、レッスンではうまくピッチが取れるようになったのですが、

ライブになるとどうしてもズレてしまう、ということがあります。

ボイストレーニングをするとピッチはかなり矯正されます。

しかし、ピッチというものは発声・発音器官だけをトレーニングして直るものでは

ないのです。

 

何度かこのブログにも書いているように、ボーカルとは身体が楽器という特種な

パートです。

ということは、心も楽器の一部になります。

発表会やライブで歌うことはとても緊張します。誰だって緊張します。

するといつもより身体も心も硬くなり呼気圧が変化します。

このことが、レッスンではピッチが良いのにライブで悪くなるという状況を

生み出します。

 

どうしたら良いのでしょうか。

ライブの数を増やして慣れることが良いのでしょうか?

それもひとつのやり方だと思います。

私はそんなときには、

「別にいいよー。多少ずれても!」と生徒さんに声をかけてみます。

 

一流の表現者はピッチが全くずれていないのでしょうか。

ずれている方はたくさんいらっしゃいます。

全くずれていないことを求めるのであれば、機械にお任せすれば

良いと思います。

しかし、「歌」というものは人間が歌うのです。

そこに、多少のズレがあるぐらいが魅力的だと私は思います。

ズレの許容範囲の幅は聞く人それぞれだと思います。

完璧な人間ってどんな人間なのでしょうか。

もし、存在するとしたらちょっと気味が悪いかもしれません。

 

逆にあまりにもピッチがずれているにも関わらず、それに気が付かないで

歌い続けるというのも、気味が悪いと思います。

ちゃんとピッチの練習をすることはたいせつです。

 

ピッチとは「バランス」だと思います。

緊張とのバランス、バンドとのバランス、お客さんとのバランス、

なにより自分自身とのバランス。

 

「音楽」という行為はバランスをとる行為だと感じることが多くあります。

人間は機械ではありません。

だからこそ、一見すれば世界になくても生きていけるような行為を

人間は求めるのではないでしょうか。

 

 

石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室

みくら音楽工房・ボーカル科講師

大場佳恵

 

 

 

 

 

ペルソナの入れかえ

imageどした?

というほど最後のバーゲンに出向いています。

私がレッスンをしている楽器屋さんがショッピングモールに入っているので

つい、休み時間になるとウロウロ徘徊してしまいます。

物欲との戦いです。

しかも、この春から私の好きなお店が新たにオープンしたため、なんのために働いているのかよくわからない状態です。

店員さんも慣れっこで、

『はい、これ』

『絶対今日はこれ!もう来週はなくなるよ』

私が好きそうな色を的確に見せてくれます。

そして次の日。

(また徘徊しました)

『はい、これ。ありえんやろ?!この値段。一体どんだけ値下げするんやってー。それまで私らががんばって接客してきたのは何やったん?って思うよ』

決算前や夏物最後のバーゲンと言っても確かに安いです。

さらに店員さんは

『お向かいのお店見て。もうダウンベストをマネキンに着せてるでしょ?』

と続けます。

夏物のセール時期が早いため、商品が少なく、秋物も去ることながら冬物を出しているお店もあるそうです。

消費者にとっては安くなるのはありがたいのですが、店員さんは大変だと思いました。

業種は違いますが、お互いの仕事の状況を話したり、お客さんの動きなどを話しながら服を選んでいきます。

ここまでの店員さんとの会話を読んでどんなことをみなさんは感じますか?

マーケティングのプロでもあるラクジー師匠にこの話をすると、

『アパレルなどの物販は自分で自分の首を絞めているな』とのこと。

『まあ、あんたはせっかく服を買うなら新しいモノにチャレンジすることやね。くれぐれも葬式に行くような黒い服ばっかり買うなよ!』

おほほー。

私のクローゼットは中身が黒いのです。

抜群に色彩感覚の良いラクジー師匠の娘さんからは、

『よしえちゃんはフラミンゴピンクがいいよ!』

とのアドバイスをもらいました。

 

『あんたそろそろイメージ変えてみんか!』

といつもオシャレなラクジー師匠は続けます。

オシャレな人の周りには人が集まってくるそうです。

宝石屋さんを長年営んできたラクジー師匠はいつも自分の個性を活かしたオシャレをしています。

確かにラクジー師匠の周りにはよく人が集まります。

 

私の年代も変わり、体質も変わり、

住む場所も変わり、状況も大きく変わってきた中で私は新しいペルソナを選ぼうとしているのだと思います。

 

『色々やってみて、失敗すればいいよ!

どうせバーゲンねんし。あんた変な所、保守的やしね』

とラクジー師匠。

 

共時性でしょうか。意識的に動いて行くと色んなことの流れが変わってきました。

私の新しいペルソナを探す旅はまだまだ続きます。

バーゲンはもうおしまい。

みなさんもこの秋は新しいペルソナを探してみてはいかがでしょうか。

 

石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室

みくら音楽工房・ボーカル科講師

大場佳恵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バドパウエル体操

IMG_0728.JPGお盆明け、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
お盆休みなど関係なくお仕事をしていた方、
久しぶりにゆっくり出来た方、
余計にやらなくちゃいけないことが増えてしまった方。
様々だと思います。
さて、最近のラクジー師匠はジャズに目覚めたようでジャズの名曲を集めたCDを連日楽しんでいるそうです。
まさか、この年になってジャズに目覚めるとはなぁ~としみじみ解説本を手にしながらつぶやいていました。
音楽を聴いたり、演奏してみることに年齢は関係がありません。
いつだって音楽はあります。
ジャズ好きが更に発展して、ついには楽しくて踊り出したそうです。
体操をする時のお気に入りはバドパウエルさんだそうです。
朝、コーヒーを飲んでしばらくしてからバドパウエルさんをかけながら身体をブラブラ動かして謎の体操をしているそうです。
アートブレイキーさんのCDでも体操をしてみたらしいのですが、激し過ぎてついていけなかったそうです。
ボーカルが無く、歌詞がないジャズは様々な映像やイメージが出てきます。
どうしてもそこに人の声が入るとイメージが限定されてきます。
ラクジー師匠の熱心な解説により、私の友達2人も解説付きのCDを買い始めました。
優れたアートにはやはり力がみなぎっています。
サッと走り抜けるドラム、

謎めいたベースソロ、

美し過ぎる高音のラインとおしゃれに刻む和音を奏でるピアノ。
私の仕事上、普段はボーカル入りの音楽ばかり聞いていますが、歌のない音楽は新しい風となり私の身体に吹き込んでいきます。
そして、ラクジー師匠はジャズをかけながら夢分析の分析作業をすると異常な速さで、できることがわかったそうです。
分析心理学のユングが言う、元型の世界まで、グーっと降りていけるとのことでした。
秋の夜長にジャズを楽しみながら、本を読む。
ウイスキーが飲みたくなります。
いいねー!
本当はそうしたいのですが、私は秋の夜長にジャズをかけながら伝票整理。
イメージの世界と超現実世界という、相反する二つの世界を行き来しながら秋を楽しみましょう。
さぁ、みくら音楽工房は新しい企画を考えています。

ラクジー師匠、ブログに新企画のご案内の投稿をよろしくねー!
石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室
みくら音楽工房・ボーカル科講師
大場佳恵

2015-08-22 | Posted in 大場佳恵のブログNo Comments » 

 

弔いの旅

IMG_0860プチみくら旅と題して、お盆の後半にみくら旅にでかけました。

みくら音楽工房のご近所さんの大野湊神社の系列?仲間?というのでしょうか、

「湊神社」をテーマに海沿いの神社を訪ねました。

お盆ということもあり、参加者はガイド役のラクジー師匠、私、

ボーカル科の生徒さん、三人だけでした。

生徒さんは、「この三人で行くというのが、なんかおかしいですね」

と言っていました。

ラクジー師匠が旅の資料を生徒さんに手渡すと、

「あ、今日もちゃんと資料があるんですね!」と言っていました。

ラクジー師匠は、

「あるよ!何人だろうがワシは手を抜かんよ」と答えていました。

ドラム科の端谷先生は以前、

「こなれてくると、出す音の一音一音が雑になる。慣れてきた時こそ、

一音を大事に叩かないとね。」

とおっしゃっていました。

私は、この二人を見習わなければいけません。

 

海岸線近くを走っていると、ラクジー師匠がポツポツと話し始めました。

「昔、ワシが関わった男がこの地に暮らしていたんだ。」

その方はずいぶん前に亡くなったそうです。

詳しいことは、お二人の思い出なのでここには書けませんが、水面に

キラキラと輝く光を見ながら、涙なのか光なのかわからないものを私は

静かに見ていました。

「ずっと、来たかったんだけど、なんか辛くて、切なくてずっと来れなかった」

とラクジー師匠は続けます。

 

早起きしたせいか、私はとてもお腹がすきました。

早起きしなくてもお腹がすくのですが。

I padを持っている生徒さんにご飯屋さんを検索してもらいました。

ご飯が出てくるまでに高校野球の話や兄弟の話をしました。

「なんか、今日は二人に付き合ってもらって悪かったなぁ」

とラクジー師匠が言いました。

「お盆だからいいんだ!よかった。この三人で来れて」と

私は答えました。

 

 

何か自分は亡くなった人にしてあげられることがあったのではないか?

と自分自身を責めることもあると思います。

 

長い長い時間をかけてようやく、大事な人を弔えることも

あるのだと思います。

亡くなった人を覚えていることが、すでに十分弔いになるのだと私は

思います。

 

たまたま生徒さんが見つけてくれたお店のランチは優しい味でとても

おいしかったです。

食べながらラクジー師匠は亡くなった方の話や、なぜ私が金石の

大野湊神社の近所に移り住むことになったのかを話してくれました。

私のルーツが少しずつ見えてきました。

ラクジー師匠が講師をつとめる、ユング分析心理学講座、文化人類学講座、

そしてみくら旅、歌、全てがつながってきました。

 

そして私達は今月末にまた、旅に出かけます。

どんだけ行くんじゃー!

 

 

石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室

みくら音楽工房・ボーカル科講師

大場佳恵

 

 

 

人間同士

また田中ミンさんのことを書いてみようと思います。

最近では田中さんが老賢者に見えてきました。

イメージの固定化というのは怖いなぁと思います。

例えば歌を教える立場の私が、ある生徒さんを見て

『ピッチ(音程)が悪いなぁ』と初期のレッスンで感じていたとします。

それからレッスンを進めるに従い段々とピッチは良くなっていきます。

しかし、良くなってきているにも関わらず新しい曲を歌った時にピッチがズレたたとします。

そこで私が

『以前からピッチが悪い人だしなぁ』

と思ったとします。

初期のレッスンで抱いたピッチが悪いというイメージが固定化されると、相対的には以前よりピッチは良くなっているのにも関わらず、そこだけ捉えて誤った判断をしてしまいます。

少しの変化や兆しを見逃さないようにすることが、レッスンをしていくうえで大切なことだと私は思います。

螺旋階段をイメージしてみてください。

真上から眺めるとクルクルと同じような所を回っているように見えますが、横から眺めると少しずつ上昇しています。

個人差はありますが、一気に上達することはまれです。

少しずつ少しずつなのです。
『人間同士は刻々と変わっています。』

と田中さんはおっしゃっていました。

本や、関わる人、映画、テレビ、

インターネット。

様々なものから影響を受けます。

人は刻々と変わっています。

それなのに、

『この人はこういう人だ』と決めつけることによってお互いのチャンスが奪われてしまいます。

ラクジー師匠が昔、私の夢分析で教えてくれた言葉があります。

『自分自身にかける呪文が一番強い』

私もラクジー師匠も、端谷先生もお互いに出会った頃とは全然違う人間になりました。

これを奇跡と呼ぶのかもしれません。
石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室

みくら音楽工房・ボーカル科講師

大場佳恵 

 

 

それぞれのお盆

ようやく少し涼しくなってきたような気がします。

気がするだけかもしれません。

昨日は買い物にでかけました。

お盆休みです。

ラクジー師匠とそのお孫軍団とお買い物です。

毎年、お盆休みには恒例行事になりつつあります。

みんなそれぞれ、新しいアイテムをてにいれてご機嫌です。

駐車場に向かう途中、見たことがある顔が・・・。

生徒さんでした。

あらー!

ラクジー師匠も仲良しの生徒さんです。

ふとした瞬間にレッスン室以外で会えるとなんだか嬉しいです。

いつもお仕事で疲労が激しい方なのでお盆に身体を休めるといいなぁと思っていました。

さて、まだ時間があるのでラクジー師匠とお孫軍団で本屋さんに行きました。

ラクジー師匠の本好きはお孫ちゃんたちにもしっかり受け継がれています。

ふと、パソコンの本があるエリアに行くと見たことのある顔が!?

端谷先生でしたー。

『博人くん!ラクジー師匠もみんないるよ!』

と言って久しぶりにみんなでの再会を楽しみました。

『博人くんパソコンの本探してるの?』と聞くと、

『それもそうねんけど、バッティングについての本を探してるんだー』

当たり前のような顔をして言っていました。

端谷先生はどこに向かおうとしているのでしょうか・・・。

端谷先生も普段から激務なのでお盆ぐらい休めるといいなぁと思っていたら、バッティングについて考えていらっしゃったようで。

元気そうでなによりです。

さて、私はというとババババ、バーゲンで新しい夏の帽子を手に入れたのでご機嫌です。

お孫軍団に選んでもらいました。

『ヨッシー、その色の方が顔が明るく見えるよ!』

と11歳の親友に的確なアドバイスをもらい

『なるほど!』と納得しました。

私は年に数回、彼らと遊ぶだけなので気ままに過ごせますが、毎日子育てをしながら働いているお母さんやお父さんのことを考えると本当に頭が下がります。

みくら音楽工房の生徒さんでも子育て中のお父さん、お母さんが通っていらっしゃいます。

本当に毎日、ご苦労様です。

少しでもみくら音楽工房のレッスンでリラックスやストレス解消をしていってくださいね!

きっとご近所の大野湊神社の神様が浄化してくれています!

写真は大野湊神社の春のお祭の一コマです。

風にたなびく旗で、少しでも涼を感じて頂ければと思います。

みなさま、良いお盆をお過ごしください。

石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室

みくら音楽工房

ボーカル科講師・大場佳恵

 

存在と存在感

yukiリサイズ写真前回のブログに書いた、田中泯さんのインタビュー番組について

さらに書いてみようと思います。

ブログに田中泯さんのことを書いていると、朝ドラのまれで

田中さん演じるガンジさんの出番が丁度、多くなってきました。

どう見てもカッコイイのです。

 

インタビュー番組で田中さんは、

「存在」と「存在感」についてもお話されていました。

「存在感がある」とはどういうことなのでしょうか。

田中さんは存在感とは、

「しっかり居ようとすること、生きているということ」とおっしゃっていたと思います。

ただそこにある。ということではなく、意志を持ってしっかりと居ようとすること。

それは日常ではなかなか意識しないことだと思います。

しかし、何かを表現するときには意志やイメージというものがとても大切になると思います。

さらに田中さんは、

「~のようなもの」をしているのではなく、「そのもの」をしているのです。

と答えていました。

何か新しいことを始める時には、「真似る」ということから始めます。

そこからオリジナリティを出していく時に気をつけなければいけないことは、

「~のようなもの」で止まってしまうことです。

「~のようなもの」と「そのもの」とは大きく違います。

 

私はどう歌いたいのか?

あなたはどう歌いたいのか?

私はドラムをどう叩きたいのか?

あなたはドラムをどう叩きたいのか?

 

この声に私も、端谷先生も耳をすませています。

あなた自身も知らない自分の声と音を聞いてみませんか。

 

ふと、みくら図書館に目が行きました。

みくら図書館とは、ラクジー師匠所有の貴重な本が、みくら音楽工房リビングに所狭しと

並んでいます。

私が勝手にみくら図書館と呼んでいます。

生徒さんや友人に貸出をしています。

このブログを書いていて、「存在と時間」という本がなかったかなぁと思い見てみました。

ハイデッカーの著作です。残念ながらみくら図書館の「哲学」エリアにはありませんでした。

ラクジー師匠は若い時に読んだそうです。

ちょっと興味が湧いてきました。

「あんたには無理や!」と鼻で笑われそうですが、ラクジー師匠が持ってないか

聞いてみようと思います。

 

photo by yuki

 

 

石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室

みくら音楽工房・ボーカル科講師

大場佳恵

 

 

 

ダンサーではなく俺はダンスだった

連続テレビ小説を見ている方は多いと思います。

現在放送中の「まれ」は特に能登が舞台でもあるので、石川県民のみなさんは

ご覧になっている方も多いと思います。

さて、名だたる俳優陣が出演している中で、私が最も惹かれる俳優が、

塩作り職人のガンジさんを演じる田中泯さんです。

以前から気になる俳優さんでした。

ラクジー師匠に「ものすっごいかっこいい俳優さんがまれに出てるんや!」

というと、「あの人、世界的なダンサーや」と答えが返ってきました。

「なに?!ダンサー!!!」

あの存在感と眼力、風貌、立ち振舞、声、全てが魅力的なガンジさんは

ダンサーなのか?!

「あんた知らんの?」

「・・・。知らんかったー!」

ますます、ガンジさんに釘付けです。

すると、ある日の深夜ふとテレビをつけると田中泯さんのインタビュー番組が

放送されていました。

どこからどう説明してよいものかよくわからないくらい、私には大切なお話をしてくれていたので

少しづつ書いて見ようと思います。

 

田中さんは幼いころお祭りなどでひょっとこ面をかぶって踊っている人たちを見て

なんだかいいなぁ、楽しそうだし、面をかぶることで変身できるみたいだと思ったそうです。

そこから「踊り」というものに入っていったそうです。

「人はなぜ踊るのか?暮らしの中にダンスがあるんだ」

ということに気づいていったそうです。

私に置き換えれば、

「人はなぜ歌うのか?暮らしの中に歌があるんだ」

ということです。おこがましいですが同じように日常と芸事を分けずにすでにそこにある、

と考える方がいらっしゃってとても嬉しかったです。

 

このブログでもちょこちょこ出てくる「みくら旅」。

これは、みくら音楽工房特別顧問のラクジー師匠がガイドする旅です。

生徒さんや生徒さんの友人、ご家族、などが参加しています。

日本各地の神社を中心に、人知れずの村の細い道に入って行ったり、

山の中に行ったり、森に行ったりしています。

単なる懇親会の旅行ではありません。その役割もあるのでしょうが、

私にとっては、「歌の種を探す旅」になっています。

自然が持つエネルギーは想像をはるかに超え、

独自の磁場の上に立つ神社や自然からは

歌の種や、

風、

老廃物を流し出し体内と心を浄化する力、

感性、

生きる力。

色んな物を私に与えてくれます。

 

みくら旅は、みくら音楽工房ができるずいぶんと前に、

私とラクジー師匠と二人の思いつきで始めました。

異常に楽しい!これはいろんな人を誘ってみよう!ということになり

今では毎月行っています。

「種」を撒いたことで、いろんな人と旅を続けることができています。

 

田中泯さんも農作業をしながら、いろんな感覚、考え方、生き方を

得てきたそうです。

さらにインタビュー番組で田中さんは

「踊る前に身体の中に先にダンスがある」とおっしゃっていました。

全く同感です。この事をどのように説明したら良いのか、ずっと気にしていました。

この事を理解できるまでには、「その人の時間(とき)」が必要です。

習い始めの生徒さんにこのようなことをお伝えしても「?」となると思います。

しかし、その人にとっての「時間(とき)」が来た時、

「歌う前に身体の中に先に歌がある」ことが理解できます。

その時には、歌うことと生きることは同じことだということも理解できます。

何か歌うことが特別なこととしてあるのではなく、いつもそこに「在る」ということが

わかれば、他人の歌と自分の歌を比較したり、

ライブの時に緊張しすぎたりすることはなくなってきます。

そのような変化のプロセスに先日、立ち会うことができました。

とても嬉しかったです。

私の言っていることを理解してもらえたから嬉しかったのではなく、

その生徒さんは自分の中にある種を一生懸命、少しずつ育て

一つの美しい花を咲かせました。

種の状態から一緒に見ていた私は本人じゃないのに嬉しいのです。

そして、これが私の今の歌です。

このようにして歌っています。

 

さて、インタビュー番組はまだまだ続きます。

いい加減に寝ないと明日のレッスンで歌えなくなってしまうので

今日はここまで。

また、まれを見よう!

 

 

石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室

みくら音楽工房・ボーカル科講師

大場佳恵

 

 

 

 

2015-08-05 | Posted in 大場佳恵のブログ, 未分類No Comments » 

 

京都の夜

ラクジー師匠がガイドする『みくら旅』に出かけてきました。

1年中、旅をしていますが私は夏のみくら旅が一番大好きです。

嘘みたいに水色や青色が塗られた空は気持ちをスカッとさせてくれます。

神社にある鎮守の森の緑と、サっと一筆で描いた様な白い雲はなんとも言えない配色です。

私が青色の服をよく選ぶ理由の一つかもしれません。

今回の旅は一泊の旅のため、本を持参しました。

『火花』又吉直樹さんです。

本屋さんに行っても売り切れなので、ラクジー師匠にお借りしました。

滅多に褒めないラクジー師匠が今年の春からずっとずっと又吉さんを褒めまくっていました。

太宰をくぐり抜けた。

これで芥川賞を取れなければ、日本の文学は終わった。

とずっと言いまくっていました。

早く読め‼︎

と言われ続け、私は先に読みかけていた村上春樹さんの本があるから、と言って夏まで過ぎてしまいました。

今までに1万冊以上本を読んでいるラクジー師匠が激奨するので、旅先の京都にて読み始めました。

涙が溢れ、また面白く、人間のことを好きになり、何かが私の中の深い場所で変わり始め、夢を見ました。

素晴らしい本を読んだ後に私に起こる一連の流れです。

京都にて火花を読めたことが、私にとってはとても大きな出来事でした。

芥川賞を受賞したニュースを聞いた時、本当に嬉しかったです。

何で私はこんなに嬉しいのだろう?と疑問に思うほど嬉しかったのです。

又吉さんのおかげで私の世界が広がりました。

京都の夜空に何かがスパークしました。

私にしか見えない火花を心にしまい、また明日から歌を歌おう!

とりあえず明日は歯医者だ。

歯が良くないと歌えないもんねー。

又吉さん、本当にありがとう!

大きな力をもらいました。

石川県金沢市にあるボーカルとドラムの音楽教室

みくら音楽工房

ボーカル科講師・大場佳恵

  

2015-08-03 | Posted in 大場佳恵のブログNo Comments »