大場佳恵のブログ, 講師ブログ
弔いの旅
みくら音楽工房のご近所さんの大野湊神社の系列?仲間?というのでしょうか、
「湊神社」をテーマに海沿いの神社を訪ねました。
お盆ということもあり、参加者はガイド役のラクジー師匠、私、
ボーカル科の生徒さん、三人だけでした。
生徒さんは、「この三人で行くというのが、なんかおかしいですね」
と言っていました。
ラクジー師匠が旅の資料を生徒さんに手渡すと、
「あ、今日もちゃんと資料があるんですね!」と言っていました。
ラクジー師匠は、
「あるよ!何人だろうがワシは手を抜かんよ」と答えていました。
ドラム科の端谷先生は以前、
「こなれてくると、出す音の一音一音が雑になる。慣れてきた時こそ、
一音を大事に叩かないとね。」
とおっしゃっていました。
私は、この二人を見習わなければいけません。
海岸線近くを走っていると、ラクジー師匠がポツポツと話し始めました。
「昔、ワシが関わった男がこの地に暮らしていたんだ。」
その方はずいぶん前に亡くなったそうです。
詳しいことは、お二人の思い出なのでここには書けませんが、水面に
キラキラと輝く光を見ながら、涙なのか光なのかわからないものを私は
静かに見ていました。
「ずっと、来たかったんだけど、なんか辛くて、切なくてずっと来れなかった」
とラクジー師匠は続けます。
早起きしたせいか、私はとてもお腹がすきました。
早起きしなくてもお腹がすくのですが。
I padを持っている生徒さんにご飯屋さんを検索してもらいました。
ご飯が出てくるまでに高校野球の話や兄弟の話をしました。
「なんか、今日は二人に付き合ってもらって悪かったなぁ」
とラクジー師匠が言いました。
「お盆だからいいんだ!よかった。この三人で来れて」と
私は答えました。
何か自分は亡くなった人にしてあげられることがあったのではないか?
と自分自身を責めることもあると思います。
長い長い時間をかけてようやく、大事な人を弔えることも
あるのだと思います。
亡くなった人を覚えていることが、すでに十分弔いになるのだと私は
思います。
たまたま生徒さんが見つけてくれたお店のランチは優しい味でとても
おいしかったです。
食べながらラクジー師匠は亡くなった方の話や、なぜ私が金石の
大野湊神社の近所に移り住むことになったのかを話してくれました。
私のルーツが少しずつ見えてきました。
ラクジー師匠が講師をつとめる、ユング分析心理学講座、文化人類学講座、
そしてみくら旅、歌、全てがつながってきました。
そして私達は今月末にまた、旅に出かけます。
どんだけ行くんじゃー!
石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室
みくら音楽工房・ボーカル科講師
大場佳恵