大場佳恵のブログ, 未分類

ダンサーではなく俺はダンスだった

連続テレビ小説を見ている方は多いと思います。

現在放送中の「まれ」は特に能登が舞台でもあるので、石川県民のみなさんは

ご覧になっている方も多いと思います。

さて、名だたる俳優陣が出演している中で、私が最も惹かれる俳優が、

塩作り職人のガンジさんを演じる田中泯さんです。

以前から気になる俳優さんでした。

ラクジー師匠に「ものすっごいかっこいい俳優さんがまれに出てるんや!」

というと、「あの人、世界的なダンサーや」と答えが返ってきました。

「なに?!ダンサー!!!」

あの存在感と眼力、風貌、立ち振舞、声、全てが魅力的なガンジさんは

ダンサーなのか?!

「あんた知らんの?」

「・・・。知らんかったー!」

ますます、ガンジさんに釘付けです。

すると、ある日の深夜ふとテレビをつけると田中泯さんのインタビュー番組が

放送されていました。

どこからどう説明してよいものかよくわからないくらい、私には大切なお話をしてくれていたので

少しづつ書いて見ようと思います。

 

田中さんは幼いころお祭りなどでひょっとこ面をかぶって踊っている人たちを見て

なんだかいいなぁ、楽しそうだし、面をかぶることで変身できるみたいだと思ったそうです。

そこから「踊り」というものに入っていったそうです。

「人はなぜ踊るのか?暮らしの中にダンスがあるんだ」

ということに気づいていったそうです。

私に置き換えれば、

「人はなぜ歌うのか?暮らしの中に歌があるんだ」

ということです。おこがましいですが同じように日常と芸事を分けずにすでにそこにある、

と考える方がいらっしゃってとても嬉しかったです。

 

このブログでもちょこちょこ出てくる「みくら旅」。

これは、みくら音楽工房特別顧問のラクジー師匠がガイドする旅です。

生徒さんや生徒さんの友人、ご家族、などが参加しています。

日本各地の神社を中心に、人知れずの村の細い道に入って行ったり、

山の中に行ったり、森に行ったりしています。

単なる懇親会の旅行ではありません。その役割もあるのでしょうが、

私にとっては、「歌の種を探す旅」になっています。

自然が持つエネルギーは想像をはるかに超え、

独自の磁場の上に立つ神社や自然からは

歌の種や、

風、

老廃物を流し出し体内と心を浄化する力、

感性、

生きる力。

色んな物を私に与えてくれます。

 

みくら旅は、みくら音楽工房ができるずいぶんと前に、

私とラクジー師匠と二人の思いつきで始めました。

異常に楽しい!これはいろんな人を誘ってみよう!ということになり

今では毎月行っています。

「種」を撒いたことで、いろんな人と旅を続けることができています。

 

田中泯さんも農作業をしながら、いろんな感覚、考え方、生き方を

得てきたそうです。

さらにインタビュー番組で田中さんは

「踊る前に身体の中に先にダンスがある」とおっしゃっていました。

全く同感です。この事をどのように説明したら良いのか、ずっと気にしていました。

この事を理解できるまでには、「その人の時間(とき)」が必要です。

習い始めの生徒さんにこのようなことをお伝えしても「?」となると思います。

しかし、その人にとっての「時間(とき)」が来た時、

「歌う前に身体の中に先に歌がある」ことが理解できます。

その時には、歌うことと生きることは同じことだということも理解できます。

何か歌うことが特別なこととしてあるのではなく、いつもそこに「在る」ということが

わかれば、他人の歌と自分の歌を比較したり、

ライブの時に緊張しすぎたりすることはなくなってきます。

そのような変化のプロセスに先日、立ち会うことができました。

とても嬉しかったです。

私の言っていることを理解してもらえたから嬉しかったのではなく、

その生徒さんは自分の中にある種を一生懸命、少しずつ育て

一つの美しい花を咲かせました。

種の状態から一緒に見ていた私は本人じゃないのに嬉しいのです。

そして、これが私の今の歌です。

このようにして歌っています。

 

さて、インタビュー番組はまだまだ続きます。

いい加減に寝ないと明日のレッスンで歌えなくなってしまうので

今日はここまで。

また、まれを見よう!

 

 

石川県金沢市にあるドラムとボーカルの音楽教室

みくら音楽工房・ボーカル科講師

大場佳恵

 

 

 

 

2015-08-05 | Posted in 大場佳恵のブログ, 未分類